アメリカからの暮らしのNEWS〈前編〉

LIFESTYLE

アメリカからの暮らしのNEWS〈前編〉

SEP.11.2019

今回はアメリカから、人気インテリア・ウェブサイト『リモデリスタ』編集長のジュリー・カールソンさんにお話を伺いました。

2007年にサンフランシコ在住だったジュリーさんが友人3人と立ち上げた、素敵なインテリアのアイデアを集めたウェブサイト『リモデリスタ(Remodelista)』は、すぐに大人気のウェブサイトになりました。その後、収納や整理整頓を取り上げた書籍『Organized book』も発売され、ますます注目されています。現在はニューヨークのブルックリン・ハイツという地区に、ご夫妻で暮らしています。前編では、ライフスタイルに合わせて、フルリノベーションしたというご自宅に伺い、ご自宅のこと、ニューヨークの暮らしについて、教えていただきます。

ニューヨーク暮らしをスタート

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—ジュリーさんがニューヨークで暮らし始めたのは、いつからですか?
「サンフランシスコで25年間暮らしていたのですが、娘たちが東海岸のカレッジの入学を望んだことをきっかけに、2015年に、ブルックリンの中で最も古く、閑静な住宅地のブルックリン・ハイツ(Brooklyn Heights)に引っ越してきました。その後、娘たちは独立しましたが、今も近所に暮らしています」

—ブルックリン・ハイツを選んだのは、どうしてですか?きっかけや、暮らしてみて感じることを教えてください。
「サンフランシスコに住んでいた頃、リモデリスタの共同創設者メンバーのひとりであるフランチェスカさんのブルックリン・ハイツの家を何度となく訪れて、周囲の雰囲気にとても惹かれていました。
マンハッタンに比べてとても静かで落ち着いていますし、高層ビルもなく、ブラウンストーン(1800年代につくられた長屋式アパートのような住宅群)が並ぶ歴史を感じる街並が気に入っています。家のすぐそばには海に面してブルックリン・ブリッジ・パークという公園があり、左手に自由の女神、右手にマンハッタンの摩天楼が見えます。この景色が、私にとってのニューヨークなのです。」

—サンフランシスコからニューヨークに引っ越してみて、どんなところが違いますか?
「サンフランシスコでは、マリン郡と呼ばれる、ゴールデンゲートブリッジを渡ってすぐの地区に住んでいましたが、年齢を重ねる中で、自動車がないとどこにも行かれないという暮らしに疑問をもちはじめました。地下鉄などの公共手段がなく、常に車で移動していたことに、うんざりしていたのです。また近年、サンフランシスコはハイテク企業で働く人たちのベッドタウンとなりつつあり、近隣になじみの顔が減り、新しい住民が増え続ける状況にも少し戸惑いを感じていました」
「ニューヨークは歴史があり、今でも様々な文化が交錯し共存する場所です。それに、地下鉄や徒歩で、どこへでも行かれる点にも惹かれます。人間らしい暮らしというか、歩いて近所の親しい友人宅に行けるというのもサンフランシスコではありえなかった、そこもニューヨークの魅力です」
日本からアメリカを見ると、どこでも車社会と思ってしまいますが、サンフランシスコとニューヨーク、実は暮らし方が全然違ったようです。

リノベーションの楽しさと難しさ

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—リノベーションされたご自宅について教えてください。
「2017年にブラウンストーンのワンフロアを購入しました。もともとは1棟1世帯のつくりなので、 以前は全フロアをひとつのファミリーが使っていましたが、今では各階1世帯のアパートとして使われていて、そのワンフロアに引っ越したのです。
私たちが購入したのはパーラーフロアと呼ばれる階で、ブラウンストーンの中で最も天井が高く、もともとお客さまの滞在や、おもてなしに使われていたフロアです。
この建物は、30年以上1棟1世帯の仕様で使われていたので、暮らしを快適にするには、内装だけでなく、水回りなど、すべてに手を加える必要がありました。ただ、ニューヨークでのリノベーションの手続きは非常に複雑で、多くの許可が必要です。
そして、歴史的な地区内なので、外観を変えることはできません。
そこで、建築家のマルチ・コノリー氏に協力を仰ぎ、1年をかけてリノベーションしたのです。」

—間取り変更もされたのですか?

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「間取りは変えず、壁紙や家具の配置などで快適に暮らせるように考えました。例えば、以前はリビングルームの壁は濃い緑色で、寝室はラベンダー色。キッチンには、時代遅れでほとんど機能していないコンロやオーブンがある状態でした。それらを新機種に取り替えて使いやすくし、すべて白い壁に塗り替えたら、明るく広々とした印象になりました」

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「リビングは十分なスペースがあるので、よく友人を呼んで、ホームパーティをして楽しんでいます。また、リラックスすることがこの家の一番のポイントなので、仕事部屋は必要最低限(机と椅子)にして、子供たちが寝泊まりできるベッドもここに備えました」
ジュリーさんは、常にご主人と相談しながら、快適に暮らせるように進化させていきたいと語ります。後編では、収納のアイデアやインテリアのウェブサイト運営のこと、ジュリーさんが感じる暮らしのトレンドについて伺います。

→後編へ続く

(取材/上野朝子、撮影/Matthew Williams)

ジュリー・カールソンさん(Julie Carlson)
ウェブサイト『リモデリスタ』創設者&編集長、現在は、インテリアだけでなく、収納やガーデニングのサイトも運営。共著で収納や整理整頓のアイデアブック『Organized book』共著。

リモデリスタ
https://www.remodelista.com/

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