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チェコからの暮らしのNEWS〈前編〉

LIFESTYLE

チェコからの暮らしのNEWS〈前編〉

JUL.29.2019

プラハ郊外の緑に囲まれた閑静な住宅街。白いバラが咲き誇り、ドアには 大きなリース。そんな優しい雰囲気に包まれた玄関先で微笑むのが、ズザナ・オサコさんです。
近年、チェコのモード界で存在感を放ち始めたズザナさん。若いころからモードの先端を捉える感覚をモデルという職業で磨く傍ら、デザインを学び、後にイラストレーターとしても活動を開始。2015年に伝統を意味する「Tradice(トラディツェ)」という名称のオートクチュールサロンを立ち上げました。フォークロアの感性を取り入れた製品は、国内外の著名人の間にも支持を得ています。モデルの仕事で訪れた日本で元夫と出会い、日本に住んだ経験もお持ちです。現在3人のお子様と暮らしているお宅を訪問させていただきました 。

インテリアのキーワードはオーセンティック

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建物に足を踏み入れると、清潔感ある空気に包まれました。玄関ホールに入ってすぐに白木のベンチ、その上にはフォークロア画家が描いた民族衣装を着た女性たちの2枚の油絵を飾っています。1階は、18世紀に建てられた建物の雰囲気を活かし、どの部屋も広々と。白い壁には民俗工芸のインテリアが合わせられ、その絶妙なスパイスが空間を引き締めています。

—この家にはいつからお住まいなんですか?
「3年前からです。10年前に日本から故郷のモラヴィアに引っ越しましたが、子供たちの学校のことがあったのでその1年後からプラハに住み始めました。広告でこの家を見たとき、求めていたものだと直感したんです。2階の日当たりがよく、当時必要だった部屋数を満たしていました。購入後、私たちのスタイルに合わせ、内装を少しずつ変えてきました。私は心から愛せるオーセンティックなものが好きなんです。子供たちにはチェコの伝統、本当に美しいものを知ってほしい。私は地域の伝統に囲まれて育ちました。だからフォークロアを身の回りに置きたいんです。伝統工芸品を手に入れたいときには、実際に工房に行き作家を知るところから始めます」

愛する環境、愛する家族

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—実際にお住まいになってみて、いかがですか?
「最も素晴らしいのは、プラハの中心から遠くないのに自然が豊かなこと。朝は野鳥のさえずりで目が覚めるんですよ。週末、家の前の通りは森にハイキングに来る人たちでにぎわうんです」

—ご自宅でお気に入りの場所は?
「キッチンですね。もともと暗い北側にあったのですが、ダイニングだった明るい部屋をキッチンに作り替えました。チェコでは一般的に、夕食は温かいメインディッシュをとらずに簡単にすませ、昼食の方をしっかりととるのですが、わが家は、夕食を重要な位置付けに。日本風に、温かな食事をとりながら家族でゆっくりとその日あったことを話し合うのが習慣になっています」
民俗工芸の棚が窓辺を飾るキッチン。部屋の中心には食卓も兼ねられる大きな作業テーブルがあり、食事の用意をしながら家族との会話も弾みそうです。

モダン・フォークロアで伝統を生活の中へ

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ズザナさんのブランドTradiceは、ズザナさんが地方のおばあさんたちの家にある民族衣装を後世に残すべきと感じたところから始まっています。Tradiceでは、民族衣装を基礎にしたモードを提案しています。
「私たちは民族衣装の細部まで研究し、その基本は残しながら現代風のニュアンスを添える形でパターンを作っているんです。民族衣装はどんな体形の方にも似合い、作りがしっかりしています。ですから、一度あつらえれば一生ものです。私たちの製品もそうありたいと考え、生地を厳選し、縫製も丁寧に行います。そこに新しさと不変の美しさを感じ、品質も認めていただけているのかもしれません。おかげさまで、今年は大型のプロジェクトをいくつか手がけることができました。現在は2020年の東京オリンピック・パラリンピックのチェコ代表団入場行進用のユニフォームを製作中です。」

→後編へ続く

(取材/石川綾 撮影/横山佳美)

ズザナ・オサコさん(Zuzana Osako)
フォークロアニュアンスの衣類を中心とする、テキスタイル製品のデザイナー。モラヴィア出身。美術工芸高校で美術を学ぶ。チェコの民俗工芸にある美は不変であると考え、現代のライフスタイルとの融合を目指している。

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