三井デザインテックがナビゲート<br>デザインから感じるホテルの魅力(1)

CULTURE

三井デザインテックがナビゲート
デザインから感じるホテルの魅力(1)

OCT.28.2016

その規模の大きさにかかわらず、訪れた人に心地よさを感じさせるホテル。その魅力の秘密を、デザインという切り口から紐解いてみよう。

地域性と文化を融合した真に華のある贅沢な空間

THE RITZ-CARLTON, TOKYO

ザ・リッツ・カールトン東京

歴史に残るホテリエ、セザール・リッツ氏が確立したサービスやホスピタリティを継承するホテルとして、世界中にラグジュアリーなライフスタイルを提供している。2007年3月に開業したザ・リッツ・カールトン東京は、2015年に「モダンジャパニーズ」をコンセプトに全客室とクラブラウンジの改装を行い、9月にグランドオープンした。

スイートを含む全247室とクラブラウンジを改装したザ・リッツ・カールトン東京。3つのスイートとクラブラウンジを体感し、荒瀬仁之さんはこう感嘆した。

「日本に四つあるリッツ・カールトンは、それぞれの地域性や文化を生かしています。しかし、文化には目に見えないものも含まれるため、理解し、寄り添うことは容易ではありません。ザ・リッツ・カールトン東京は、東京・六本木という土地の環境や個性を起点に、この建物、そしてこの空間へと至るシークエンスにスケール感を感じさせるのです。また、ラウンジなど共用部や客室といった空間でのしつらえには、四季や文化的背景などがバランス良く発揮されています。これこそが、真にその土地の文化を理解することであり、寄り添うことなのだと教えてくれる空間ですね」

超一流のホスピタリティで知られるホテルの魅力はこれだけではないという。

「ホスピタリティもしつらえも、『さりげない』のです。そこに至るには相応な時間の積み重ねが必要です。そのさりげなさの重なりが華や美しさと映るのは、ラグジュアリーホテルの真骨頂でしょう。」

左/襖を彩るのは、極楽にしか咲かない花・宝相華。着物作家が客室で直接襖に描いたものだという。過去と未来の文化の重なりが美しい絵となり、アートとなっている。

右/トップスイートである「ザ・リッツ・カールトン スイート」のダイニングを、江戸切子のランプが照らし出す。また、優雅で壮大な壁が高砂のような存在感を発揮し、空間全体の空気を司っている。

モダンジャパニーズスイートのリビングルーム。和室らしい横長の窓にしつらえた障子から漏れる光と、スタンドの明かりが重なり合う。「この光の存在感が和の空間の美しさを気づかせてくれます」

モダンジャパニーズスイートの寝室。畳の部屋の窓からビル群と東京タワーの借景見下ろすことができる、不思議な空間だ。「畳の上に浮いているようなベッドは、間接照明の効果によって時をも浮遊するかのようです」

Information

THE RITZ-CARLTON, TOKYO

東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン

TEL : 03-3424-8000

http://www.ritz-carlton.jp

モダンジャパニーズ スイート18万円~、プレジデンシャル スイート100万円~

ザ・リッツ・カールトン スイート200万円~(いずれも1室料金、税サ別)

都営大江戸線六本木駅8番出口地下通路より直結

<ナビゲーター>

三井デザインテック

荒瀬仁之 ARASE Hitoshi

三井デザインテックにて、ホテルの空間プロデューサーとして活躍する。これまでに携わったホテルは日本各地に及び、デザインや設計にも造詣が深い。自らもデザインを手掛けながら、ホテルのインテリアを数多くプロデュースしている。

Photo=熊谷義久 KUMAGAYA Yoshihisa

Text=吉田渓 YOSHIDA Kei

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