花が咲き、実がなり、野鳥が遊ぶ。<br>憩いの庭こそ我が家の主役。

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花が咲き、実がなり、野鳥が遊ぶ。
憩いの庭こそ我が家の主役。

AUG.12.2016

L字型の敷地を生かし、長いアプローチの先に設けたコの字形の家がSさんの住まいだ。緩やかなアーチを描く玄関ポーチでは、Sさんが愛するミモザの木がゲストを出迎えてくれる。エントランスから家に入ると、最初に目に留まるのがこの家の中心部、南面に設けられた中庭である。出窓を設けたティールームやリビングともつながるこの庭こそ、Sさんの自慢の空間だ。

「もの心着いた時から、木や苗を植えてはハサミで剪定したりしていたんです。実家を出た後は賃貸物件での暮らしが長かったので、マイホームには自分好みの庭を作りたいと思っていました。庭に向かって開放的な窓があって、庭を眺めながらお茶を飲める。そんな家がいいなと思ったんです」

中庭の中央には、シンボルツリーとして落葉樹のハナミズキを植えた。高木~中木~低木と連続して植えた落葉樹と広葉樹が、夏は日差しを遮り、落葉する冬には室内に暖かな陽だまりを誘ってくれる。ハナミズキをぐるりと取り囲むようにあしらった枕木は、まるで小さなイングリッシュガーデンのよう。石積みの壁にはスズメからヒヨドリ、キジバトと、庭を訪れる野鳥の大きさに合わせ、大・中・小と3つのバードバス(水盤)をデザイン。Sさんの思惑通り、ソヨゴやジューンベリーなど実のなる木の周りでさまざまな野鳥が遊ぶ、そんな楽しい庭になった。

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念願の庭の風情を家族みんなで味わいたいと、邸内のレイアウトは庭を囲むように設計。庭に面するティーコーナー、リビング、そしてSさんの書斎の窓からは四季折々の風景が楽しめる。春のミモザやシクラメン、秋の紅葉、早春の草花などの彩りを引き立てているのが、北欧モダンでシンプルにまとめたインテリアだ。温かみのある明るい無垢の木を基調に、壁紙は白で統一。カーテンもあえて無地でまとめ、色のあるタペストリーやインテリア雑貨を室内のアクセントになるようデコレート。ナチュラルながらミニマルな印象に仕上げている。ティーコーナーのステンドグラスも、いかにもなアールデコ調ではなく水色やピンクなどを直線であしらうポップなテイストに。これはインテリアコーディネーターとステンドグラス作家の工房に足を運んでオーダーしたものだとか。その他、タイルと石を組み合わせたオブジェや階段にあしらったガラスタイルなど、テクスチャーのある素材を要所要所にあしらい、空間に表情をつけていったそう。

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妻の好む北欧スタイルと夫の好むグリーンが、見事なハーモニーを奏でる自慢の我が家。「作り込みすぎず、あるがままの姿が美しい庭が理想」というSさん。リビングでくつろぎながら、ティーコーナーでお茶をいただきながら。緑のある暮らしを満喫するこのごろだ。

texte:RYOKO KURAISHI

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