戸建住宅の魅力は、やはり住空間と外空間が直接つながって、自然環境を身近に感じることができるという点です。光や風や緑を上手に住空間に取り入れることによって、暮らしにゆとりと解放感が生まれます。敷地条件やライフスタイル、趣味や好みによって外空間のつくり方はいろいろですが、家族との時間をもっと楽しむため、子供とふれあうスペースとして、また仕事の気分転換の場として、自然を有効的に取り入れてみてはいかがでしょう。ここでは実例を通して、さまざまな自然の取り入れ方をご紹介します。

「ラナイ」とは、ハワイの建築用語で、家の外に面したスペースを屋根で覆った半戸外空間のことをいいます。インドアとアウトドアの境界をフラットな床面でつなげ、リビングの一部に自然が広がっているように感じるアウトドアリビングです。テレワークの合間のリフレッシュに、読書やガーデニングなど趣味の時間に、家族と一緒にカフェタイムやバーベキューなど、使い方はいろいろ。2階フロアに設けた「スカイラナイ」は、外からの視線を感じることなくくつろげるプライベートバルコニーに。キッチンに隣接した「キッチンラナイ」は、気軽に外ごはんやバータイムを楽しめる贅沢な空間になります。お気に入りのベンチやテーブルなどをセットして、素敵なアウトドアライフをコーディネートしてみてはいかがでしょう。

テラスやガーデンとして人気が高いウッドデッキは、室内へとつながる出入り口として、家族や友人と食事などを楽しむ場所として、愛犬とのプレイスペースなど、さまざまな使い方が楽しめます。ウッドデッキをリビングからつながるように設けることで、限られた敷地面積でも、窓越しに広がる開放感を満喫できます。晴れた日には椅子やテーブルを移動して外ごはんを楽しむのも良いですね。また、子供の遊び場としても清潔で安全に過ごせるので、遊具やプールを設置するのにも最適です。二世帯住宅であれば、2家族の住まいの中央にウッドデッキで囲んだ中庭を設け、いつでもコミュニケーションをとれる憩いの場として活躍します。

「家庭」という漢字が教えてくれるように、住まいは家と庭が調和された空間であるといえます。日本人にとって心和むのは、やっぱり和風の庭。和風の庭を設けるには、家と庭を統一したデザインで美しくまとめることが大切です。建物の周囲に木道を巡らせた庭は、美しい植栽の緑が木陰をつくり、しっとりとした静寂感を演出します。また、白砂利や景石を並べた枯山水のイメージの庭は、モノトーンで統一された和モダンな住宅と調和して、情緒をもたらします。控えめでシンプルでありながら、日本独特の美意識である「侘び・寂び」が感じられる自然空間の取り入れ方のひとつです。

「ピクチャーウィンドウ」とは、景色を絵画のように見立て枠取りするように設けられた窓のこと。外の風景を美しく切り取る窓枠によって効果的に自然空間を取り込み、住まいがより魅力的に見える方法です。季節によって移り変わる景色は飽きることがなく、四季折々の情景が楽しめます。設置する窓枠は、景観を際立たせられるよう、すっきりとシンプルにするのがオススメ。玄関や廊下の先に設ければ、視線を集めて奥行きが感じられるような効果があり、開放感のあるくつろぎのスペースが出来上がります。お部屋にアートを飾るようにピクチャーウィンドウを取り入れてみてはいかがでしょうか。

おうち時間が増えている今、住まいに求められるニーズも多様化しています。
家にいる時間をもっと居心地の良いものにするために、自然空間の役割はとても有意義になってきます。
これからの時代、新しいライフスタイルの選択肢として、自分に合った住まいの自然空間を見つける参考にしてください。