地球環境にやさしい「木の家」は、日々の暮らし、そして子供たちのすこやかな成長にたくさんのいい影響があるとされています。子供の成長に大切なのは「感じる」こと。特に幼少期の子供にとって目にしたもの、触れたもの、香りなどの感覚は、一つひとつが経験値となり心を豊かにし、その後の成長に影響を与えます。そう考えると、「木の家」は、子育て家族にとって望ましい住環境といえるのではないでしょうか。近年、SDGsの観点からも木造建築が見直されてきています。教育施設や介護施設、宿泊施設でも木造建築の需要が増えています。“木に包まれた健康的な暮らし”、それが子育てに与える影響について、いくつかご紹介します。

木は、強さと同時に柔軟性も備えています。特に木の床や階段は適度な衝撃吸収力が働き、成長期の子供の足腰に良い影響を与えます。子供が素足で歩いたり、遊んだりするリビングや階段、子供部屋に木の床を用いることで、体への負担も軽減でき、健康的な生活を送ることができます。また、ぶつかったりしたときの衝撃も比較的少なく、子供が大けがをする可能性を減らせるでしょう。庭やバルコニーにウッドデッキでつながるアウトドア空間を設ければ、開放感も感じられ、子供たちが裸足で走り回っても、そのまま外へ飛び出しても安心です。

天然木は断熱性が高く、熱を適度に溜め続けるので、室温を程よくコントロールします。また、除菌・抗菌作用、調湿作用もあり、結露やカビの発生を抑制するので、アレルギーやアトピー性皮膚炎などの改善効果が期待できると言われています。子供たちが通う学校では、鉄筋コンクリート造校舎に比べて木造校舎の方がインフルエンザによる学級閉鎖率が少ないという調査結果もあります。インフルエンザウイルスは気温が低く空気が乾燥している環境で生存するため、木の持つ断熱・調湿効果が空気の乾燥を防ぎ、インフルエンザの蔓延を抑えていると考えられています。子供たちの健康面において、木はいい影響を与えてくれる最適な素材といえるでしょう。

木にはストレスを緩和させ、集中力を高める効果もあります。小学校で子供たちの集中力について比較すると、鉄筋コンクリート造校舎よりも木造校舎の方が集中力を保てることがわかっています。木の色彩や香りがもたらすリラックス効果が、子供たちの心理面に良い影響を与えていると考えられます。また、眠気やだるさといった疲労度を軽減するというデータもあるようです。木は子供たちの教育環境にとって好ましい素材といえるのでしょう。住まいに木目を生かした子供部屋やワークスペースなどを設ければ、家でも勉強や仕事を効率よくこなせることが期待できます。

木のリラックス効果により、睡眠の質が向上するというデータもあります。「寝る子は育つ」と言いますが、子供たちのすこやかな成長において、良質な睡眠は欠かせません。天然木にはフィトンチッド効果といって、香り成分「フィトンチッド」が自律神経を整え、ストレスの緩和、免疫を高める作用があるといわれています。森林浴をするとリラックスできるのは樹木が放つ芳香成分のおかげといえるでしょう。このような効果を日頃から生活に取り入れることで、深く良い睡眠が得られ、心身の安定につながっていきます。日常生活の中で睡眠の質を向上させることが、実は暮らしを豊かにすることかもしれません。家族のすこやかな暮らしのため、寝室や子供部屋に木をバランスよく取り入れてみてはいかがでしょうか。