畳に寝転んだり、足を伸ばしたりすると、不思議と懐かしさや安心感に包まれることはありませんか。畳の空間は、日本家屋の風情ある和室も魅力的ですが、和の趣を今の住宅デザインやライフスタイルにうまく取り入れた「タタミルーム」も注目されています。和室は昔から多種多様な使い方があり、寝室や居間としてはもちろん、子どもたちの遊び場として、来客スペースとして、または囲碁や将棋、フラワーアレンジメントなどのホビースペースとしてなど多目的に活用することができます。本格的な和室から、現代的なデザインのタタミコーナーまで、使い方多彩な和の空間の取り入れ方をいくつかご紹介します。

和室をリビングの一角に配置し、小上がりのタタミコーナーにすることで、さまざまなシーンで活用することができます。そして空間にもメリハリが生まれるので、くつろぎ方の幅も広がります。たくさんの来客を招いた時には腰を下ろしてくつろげる場所として。赤ちゃんのいるご家庭では昼寝のスペースやおもちゃを広げての遊び場に。リビングと隣接しているので、いつでも目が届いて安心です。また、洗濯物をたたんだり、アイロンをかけたり、いつもの家事の作業スペースとしても重宝します。

最近では、インテリアイメージに合わせて「タタミルーム」を取り入れる方も増えています。おしゃれな和モダン空間は、親族や友人が遊びに来た時の宿泊にも便利。スタイリッシュな縁のない半帖畳や、質感のある壁、和紙の照明器具を取り入れたり、建具をシックな色合いでまとめれば、まるでホテルの一室のような雰囲気を演出できます。窓の配置を工夫したり、地窓を取り入れて視線に奥行き を持たせれば、明るさや景観を感じながら、プライバシーにも配慮した落ち着いた空間が生まれます。少しだけ非日常を感じられるこの場所で、ゆっくり読書をしたり、書を楽しんだり、友達を呼んでお茶やお花を嗜んだり。子どもが成長したときの子ども部屋にも、フレキシブルに進化させられるモダンな空間です。

来客がゆっくりとくつろげるための客間としての和室。広縁や前室を設けて、旅館の離れのように独立させることで、使い勝手もよく落ち着いて過ごすことができます。その場合、リビングやキッチンを通らずにパウダールームを利用できる動線を設けることもちょっとした心遣いといえましょう。また将来的に親御様との同居を考えて独立型の和室を設ける人も多いようです。一緒に暮らしながらもプライバシーや生活リズムが守れるので、お互いに気兼ねなく過ごせる思いやりのこもった間取りです。

床の間に欄干、板張りの天井に開口部は障子や襖をあしらった日本の伝統的な和室も魅力的です。年末年始やお祝い事など親族が集まることが多いご家庭では、必要とされる空間です。床の間に掛け軸やお花を飾り、庭に面した窓からは豊かな自然美が現れる、来客の目を楽しませる風情ある空間として設けるとよいでしょう。また、出入り口にモザイクタイルをあしらって伝統とモダンを融合させた空間を楽しんだり、掘りごたつや間接照明など、今のライフスタイルにも合うインテリアを取り入れれば、自分らしく思い思いにくつろげる憩いの場になります。

前室を通って入る和室は、旅館に泊まりに来たような非日常感を味わうことができます。親族や友人が遊びに来たときに、部屋に着くまでワクワクするような仕掛けがあると楽しいものです。足の感触が変わることで空間の切り替わりが感じられるよう、前室の床の素材にこだわったり、和室の入り口までを路地風のデザインにしたり。ゲストへのサプライズの設えとして、またご家族のリラックス空間として、心なごむ和の空間への入り口にもこだわってみませんか。

最近では自分らしい和室を住まいづくりに取り入れる方も増えています。
ご自分のライフスタイルにあった和の空間をぜひ見つけてください。