外構と家が調和して、<br>街並みに美しく溶け込む家。

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外構と家が調和して、
街並みに美しく溶け込む家。

MAR.23.2017

今回ご紹介するのは、立派なソヨゴをシンボルツリーに抱く中庭を備えたOさんの住まい。各部屋は中庭を囲むようにレイアウトされており、家のどこにいてもガラス越しにグリーンを眺めることができる。

「これまで1階に住んだことがなく、一戸建てに暮らすことで自分たちの生活が丸見えになることに抵抗がありました。プライベートな空間が欲しくて家の中にガラス張りの庭を設けてもらったんです。家の周りには植え込みや日本庭園を設け、街並みに調和するような外観にしてもらいました」

ガラス張りの中庭のおかげで、邸内にいても常に季節感を感じられる。新緑から紅葉への移りかわり、落葉してまた若葉が芽吹く。1年のサイクルを中庭の木々に教えてもらう毎日だ。

「自然の移り変わりを暮らしの中で感じられるようになり、生活が豊かになった気がします。家の南側にナンテンを植えているのですが、先日は近所の方が赤く色づいたナンテンを写真に収めていらっしゃいました。周囲にも心地よさや癒しを感じてもらえているのなら家を建てた甲斐があるなあと、うれしく思いましたね」

室内はブラックチェリーのフローリングに真っ白な壁、黒のアイアンのディテール使いなど、上品かつ落ち着いた印象でまとめている。家具についてもデザインはもちろん、大きさから素材感、ディテールまで、雰囲気とマッチするよう選びぬいた。作りつけの収納やクローゼットを効果的に配したおかげで、邸内は常にすっきり、整理されているのもポイント。全体が調和しているのはこうした効果によるものだ。

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一方、外観は直線を多用したシャープなデザインが印象的だ。シャープなイメージで統一したかったので、太陽光パネルもベランダもなし。外壁、瓦の色、外から見える建材選びにも時間をかけた。外壁には、家の窓と呼応するかのように縦のスリットが入っている。

「周囲との関係を遮断するかのような高い壁は作りたくなくて、こうしたデザインになりました。スリットは家の周りを囲む植え込みや木々のために風通しを確保する効果と、外から我が家を眺めた時、スリット越しの庭木が美しく見えることを意図しています。」

外構に使った木は、造園会社の担当者と一緒に山まで出かけ一本一本選んだものだという。家を作り、引越しをして、その後2カ月をかけて建物とのバランスを考えながら作り上げた。

「ロンドンやパリ、あるいは京都や軽井沢。美しい街並みには人を落ち着かせる魅力があります。看板は規制がありますが、家を建てる時もそれぞれの街の雰囲気を考えてデザインしたいもの。街並みに寄り添い、かと言って埋没するのではなく、街に調和するデザイン。そうした家が増えていけば、素敵な都市ができるのではないでしょうか」

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texte : RYOKO KURAISHI

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